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もくじ

下風呂温泉郷について

「しもふろ」の地名のもとになったのは、アイヌ語の「シュマ(岩) フラ(臭う)」だと言われています。温泉独特の硫黄のにおいが漂う様子は、まさに言い得て妙ですね。その呼び名の通り、下風呂地区に入ってすぐに硫黄のにおいが鼻孔をくすぐります! そんな下風呂温泉は、室町時代から刀傷や槍傷に卓効のある湯治場として有名で、硫黄分の多い白濁した湯が切り傷に良いとされていたそうです。時代が下ってからも、近隣の漁師さんが厳寒の津軽海峡で冷えきった身体を温めてきました。本州の北の端にありながら、古くから人々の足音が絶えることがなかった貴重な温泉場として今も大切にされています。

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港から見る下風呂地区

海と山の間のわずかな土地に、温泉宿と民家、そして漁船が密集している。

港から見る下風呂地区

海と山の間のわずかな土地に、温泉宿と民家、そして漁船が密集している。

幻の大間鉄道跡

かつて、現在本州最北の駅である「下北駅」から大間町奥戸へ到る、今は幻となった「大間鉄道」の建設計画がありました。その工事は昭和12年に着工し、昭和14年には現在のむつ市大畑町「大畑駅(現在は廃止)」までの18kmが竣工し、営業開始されました。引き続き「大畑駅」から桑畑地区までの区間が昭和13年に着工し、昭和18年に完成する予定でした。しかし、戦争の激化と資材と人員の不足にともない、昭和18年に工事は中止されました。一度は青函連絡船計画の東ルートに接続する重要路線として期待された鉄道計画は消滅し、竣工間近であった線路跡には現在でも多くの遺構が残されています。
 下風呂地区の高台には、幻となった大間線遺構のなかでも、下風呂駅建設予定地の面影が色濃く残されています。駅跡地は現在は公民館が建設されていますが、レールを敷設する予定であった築堤や跨道橋、駅舎とホームをつなぐ階段通路、13連アーチ橋などの遺構が、地元の人々の生活に取り込まれながら今も残されています。
 下風呂地区では、各地に残る大間線遺構の中でも最大規模とされる13連アーチ橋を観光資源として整備し、下風呂の街並みと津軽海峡を眺めながら足湯を楽しめる場所として開放しています。夕方には下風呂温泉街の夜景が、朝方は海峡から昇る朝日に照らされながら一斉に漁船が出港してゆく光景が見られ、とても旅情を誘います。

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アーチ橋に隣接した足湯施設

駅舎をモチーフにした足湯施設は、まるほん旅館から徒歩3分。朝方と夕方がオススメです。

アーチ橋に隣接した足湯施設

駅舎をモチーフにした足湯施設は、まるほん旅館から徒歩3分。朝方と夕方がオススメです。


文人に愛された下風呂温泉郷

井上靖の小説『海峡』の舞台にもなった下風呂温泉。昭和34年に発表されたこの作品の執筆のために、井上先生は実際に下風呂温泉に投宿されています(残念ながらお泊まりになったのは、まるほん旅館ではありません)。また、井上先生自筆による散文詩「アカエリヒレアシシギ」の文学碑が海峡いさりび公園に建立されています。

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井上靖文学碑

全国に20箇所ある井上靖文学碑の中でも、東北地方唯一の文学碑。まるほん旅館から徒歩10分。

井上靖文学碑

全国に20箇所ある井上靖文学碑の中でも、東北地方唯一の文学碑。まるほん旅館から徒歩10分。

源泉について

下風呂温泉郷の源泉は、古くから知られている「大湯」「新湯」の他に、海辺に湧いている「浜湯」があり、合わせて三箇所の源泉から温泉を引いています。ひとつの温泉場で三箇所の源泉があるのは全国でも珍しいそうです。また、100メートルも離れていない場所に大湯と新湯という泉質の違う2箇所の源泉があるという点も大変珍しく、多くの温泉ファンを惹きつける要因となっています。(以下、風間浦村商工会資料より)

大湯系(白濁)
泉質 酸性・含硫酸-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)
源泉の温度 66度(季節や天候によって異なる)
効能 切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、筋肉や関節などの痛み、消化器疾患
新湯系(透明に近い)
泉質 含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)
源泉の温度 95度(季節や天候によって異なる)
効能 切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病、動脈硬化症、筋肉や関節などの痛み、消化器疾患患

浜湯系 海辺地1号
泉質 ホウ酸-食塩硫化水素臭(緊張低張性高温泉)
浜湯系 海辺地2号
泉質 ホウ酸-含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(硫化水素型)(低張性弱酸性高温泉)
療養泉の一般的適応症(共通)
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器疾患、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進

(参照:風間浦村商工会 http://www.shimohuro.com/下風呂温泉郷について/三種の湯-泉質-効能/)

下風呂温泉 “遊めぐりの宿” について

下風呂温泉郷では、地域内の宿と共同浴場が連携して「湯めぐり」が楽しめるようになっています。いずれかの宿か浴場にて「手形」を購入することで、「遊めぐり看板」が設置してある提携浴場のうち、三ヶ所の浴場を利用することができます。まるほん旅館でも「手形」の販売をしていますので、ぜひご利用ください。その他、詳細は右記チラシにてご確認ください。